1965年には具体の名声もヨーロッパで広まっており、オランダのアムステルダムで行われた展覧会に招聘され、吉原治良は具体メンバーで次男の通雄とオランダへ向かった。本展では絵画を展示することは拒否され、立体作品など今までにない新しい分野のものだけが要求された。吉原は野外展で定評のあった9点と通雄の新作2点を展示した。この展覧会はヨーロッパの新しい前衛グループの「ヌル」と「ゼロ」そして「具体」が展示された。この展覧会では具体の作品の独自性が印象付けられ、独自ではあるが同時代性のある傑出した前衛芸術グループとして具体が位置付けられることとなった。
同時に若いメンバーの作品制作に刺激を与え、様々なアイデアが生まれ、絵画から初期の実験的な作品制作への立ち返りのきっかけともなった。