靉嘔 靉嘔
靉嘔

 “虹のアーティスト”としてしられる靉嘔は絵画の輪郭線を破壊し、様々なモチーフを虹のスペクトル・カラーを用いた色相面に置き換えた。その他、触覚をはじめとする知覚芸術の実験や、国際的な前衛芸術運動「フルクサス」でのイヴェント、生涯を通じて行った版画制作等が靉嘔の活動を特徴づける。また、今日のハプニングやインスタレーションの先駆けとなるエンヴァイラメントを各地で展開した。

 1961-62年に制作された《ハイドラ》は円筒のアルミボディと電球による装置であり、6つの灯篭を持つ様はギリシャ神話に登場する多頭蛇Hydrāを連想させる。灯篭内部の電球は人工的な光を放ち、その熱が生む上昇気流がプロペラに作用することで軸を芯に取り付けられた灯篭そのものに自然現象から成る回転動作が起こる。そしてそこから溢れ出る光は回転する灯篭の動きや作品本体であるアルミ板の表面に反射し、研磨によりつけられた絡み合う蛇を想わせる流動的な模様を浮かび上がらせながら、展示室の壁面や天井に光のスペクタクルを生み出す。《ハイドラ》が設置された第5展示室前半の環境や事物、そして鑑賞者までもがこの装置が生み出す光の空間に包まれ、靉嘔の環境芸術、エンヴァイラメントの一部となる。


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